雁月

がんづきとかゲームとか映画とか

Netflix ドラマ 返校 ぐだぐだレビュー

ガンガンハロー岩チューブ!!

そろそろ引きこもって1年経ちそうな今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
地元の最推し居酒屋が休業中なので虚無になってます。お願いだからどこにも行かないで…。

引きこもってると情報収集も偏りがちになっちゃうなあとかそんなことを考えたりもしますね。


そんなこんなで今回は閉鎖された場所、学校で自由を求めて抗う少女のお話、返校がドラマ化されたので、レビュー書きました。

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レビューなのでネタバレバレバレです。ご了承。

ゲームの内容についてもガッツリ触れてます。
ドラマ観てゲームに興味湧いたよ〜って方はネタバレになっちゃうのでゲーム買いましょう。お願いします。

なお、ゲーム版のことを本記事では原作と呼んでます。

原作と比較して

てっきり原作をそのままドラマ化すると思ってたので、黒髪ストレートの女の子が1984読むところから始まってあら?って感じでしたね。
そっから知らんキャラもりもり出てきてギャップを感じながら見てたら、まさかのバイ教官がご存命で「お前は出るんか〜〜〜〜い」ってひっくり返りました。


時代が変わり登場人物も大幅に変わってましたが、おおまかなストーリーは変わってなかったですね。
原作から「私は何者?」というアイデンティティを求める部分と、「若く無知である事によって起きた過ち」を抜き出したストーリーになっていたと思います。


原作は1960年代の台湾が舞台。この時代は白色テロによる思想の弾圧が行われており、テーマの一つとなっています。
原作だとテキストの内容がかなり丁寧なので、ゲーム内だけで時代背景についてある程度理解できるのですが、ドラマは説明が全然なく、ある程度わかってる前提で進んでいたように感じます。

原作のもう一つのテーマでもあった宗教関連がほとんどチャン君の周りにまとめられていて、ドラマ版だとだいぶ薄味になってましたね。


キャラクターの描写でいうと、ルイシンちゃんが目的を持って行動していたのが大きく異なりますかね。
目的が復讐っていう。
原作だと、最初は自分が何者かわからないところからスタートし、最後にはひたすら赦されたくないと自罰的でしたが、かなりアレンジされていますね。

あとバイ教官だな。白色テロ以降の時代で登場させることで、彼もまた時代の被害者であったことが描かれました。

エグすぎて5秒に1回死んだシーンについて

シェン先生関連です。死ぬっしょ。

転校して早々に居場所がなくなりかけてたユンシアンちゃんの前に現れた希望。
視聴者は「あーーここでこういうタイプの先生でちゃうか〜〜〜〜〜」ってなっちゃうやつ。


ユンシアンベタ褒めシーンから「あれ…?こいつもしかして…ロクでもねえ先生か?いや…まさかな…」という嫌な予感がして白か黒かだいぶ迷ってたんですが、 イチャイチャスキンシップ発動!肩もみ!!でその予感が革新に変わりました。んで先の展開もまあまあわかってじっとり死にました。

ユンシアンへのプレゼントにピアスを上げることにしたシナリオライターさんのセンスに拍手。
先生の形容しがたいキモさが伝わりました。なんにもわからん少女にピアスとかきも。
穴開けるシーンでユンシアンの初めてを奪うことを暗示してるのほんま。


肩もみあたりから「ユンシアン〜〜〜〜ッ!!にげろ〜〜〜〜〜ッ!!」と心のなかで叫んでましたが、惚れてると明らかに不自然なボディータッチとかバグって全部嬉しいになっちゃうんだよな〜〜〜〜つれ〜〜〜。

翠華高校でそんな二人の相思相愛はうまく続くわけもなく。
恋は盲目を体現するイチャイチャで校長とかにバレるわ先生への不信感が出始めるわでうまくいかなくなり、先生の強姦未遂という形でこの恋は終りを迎えます。

強姦される寸前の全てを諦めた顔が辛すぎてダメでした。
その後もシャワー浴びながら独りで泣くユンシアンの今にも折れそうな背中が痛々しくてもう。

中学生って学校が世界の全てだから居場所がなくなると本当にしんどい。


この話はまだまだ終わらず、視聴者全員がきっと胃が痛くなりながら視聴したであろう、強姦未遂を訴えるシーンがまじまじにキツかった。
私はフィクションでも裁判のシーンとかぜんっっっっっっぜん観れない人なので苦痛だった。じゃあなんで観てんだよとかいうな。

偽装やユンシアンの精神病のことで勝利は掴めそうにないっていうのは想定してたんで耐えれるしんどさだったんですが、シェン先生もバッドエンドになったのが予想外で耐えれんかった。

完全にシェン先生サイド全員悪者として描かれるだろうな〜と思うじゃん。聞いてないよ。強姦未遂後の描写の仕方がクズ全振りだったのに急にやめてよ。
わしはユンシアンの分のキャパしか用意してなかったのにシェン先生の分もぶち込まれたら精神が持たんが💢💢💢


彼が発言を求められた時、 「師弟(教師と生徒)でなければ」と彼女にだけわかるように自分の本心を伝えたのが辛くて泣いた。

こういうのって訴えられる側はだいたい「もともと恋愛感情なんてなかったし。勝手にあっちがそう思い込んでたんだろ」っていうスタンスが多いと思うんですが、シェン先生はちゃんとユンシアンのことを愛していたことがこのシーンで明らかになり「誰も幸せになれねェ…ッ」と泣きました。


そしてこの伝え方は、本心を伝えると同時にその可能性を完全に消し去る伝え方でもあるんですよね。
空に向かって飛ばした紙飛行機が地に堕ちる光景が脳裏に浮かびました。



なにこれ〜〜〜〜〜〜しんど〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!(語彙)

主題歌

ゲームもドラマも音楽いいよな。どうなってるんだ。
良すぎて毎回ちゃんと聴いちゃったぞ。あとiTunesで買ったぞ。

主題歌は「相反」っていうらしいです。
これはユンシアンとルイシンのことを表してるんですね。

ちなみに歌詞が英語の箇所しかわからんかったので、この機にDeepLで翻訳かけてみました。

欲しい答えを求めて
"どこにあるの?
自分の知っている世界に目を閉じてチャンネルを変えてみる
"ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ...
思い出のその顔はとても悲しい
(悲しくて悲しくて)
忘れたの? それとも逆の方がいいのかな? (忘れられた、悲しい)

今までと同じになるのかな?
滝の中のトンボのように
夢の中の世界は純粋な偶然ではありません。
時には現実、時には幻想に満ちている
憧れの顔がハッキリしている
澄み切った
勇気を出すべきかどうかを自問自答する(時間がなくなった

咲き誇る水仙 ああ
偶然出会った日
時代遅れの文学を愛する
"それは私の不注意と時代の罪
完全に消えてしまう前に
私の過去は終わりがない
一瞬の美しさと悲しみ

咲いている水仙 ああ
私はあなたに依存しているので、私は狂っている
枯渇した文学を愛して
それは私の冷たい顔と孤独な夜
あなたが完全に消えてしまう前に
私の過去に終わりはない
聞こえない

咲き誇る水仙
"私とあなたと私の冬
あなたが恋しい季節にオープン
笑顔の恥ずかしさを見て涙が出てくる
物語はもはや繰り返しではない
(私の未来はあなたと和解した)
私はあなたのもとに戻ってきました

咲いている水仙...

もはや物語は繰り返さない...。

最後の一文…。

総評

めっちゃいい実写化のされ方になってると思います。
リアタイで更新待って、更新されたら観に行ってTwitterに「返校つらい」と毎回書き込んで作品を楽しんで(?)ました。


とはいえ不満点がまったくないわけではなく、

  • 怖くない
  • 意外とハッピーエンドだった

って言う点が微妙かなって感じるところでした。

サムネとかホラーっぽい紹介のされ方だからホラー目当てで見に来た人にはウケなさそうだなあと思って不満点にしました。不満というより残念ポイントかな。

原作のスタンスとして、あるストーリーがあって、そのストーリーを際立たせるものとしてホラー要素を付け足していくような作り方してるから、ドラマ版もその流れを汲むとそら怖くなくなるなって。
演出よりストーリーを意識してることがわかるのでいいんですけどね。


ハッピーエンドうんぬんは私の好みです。
原作では救いのない重たいエンドでそれが良かったので、ドラマ版で「こんなにスッキリハッピーエンドで、い、いいの…?」と少しドギマギしました。
ユンシアンの物語だからいいのかな。

原作ではレイちゃん(ルイシンちゃん)は「天国にも地獄にもいけない子」でしたが、ドラマでは成仏できましたね。
独りでなかったから、助けてくれる人がいたから成仏できたんでしょうね。

とはいえ、それはそれ。私はあくまでドラマ版は原作とは別物としているので、ドラマ版でルイシンちゃんが成仏したのは原作の補完にはならないと思ってます。
レイちゃんはきっと一生さまよい続けるんだ…。


以上レビューでした。
原作至高厨なので、枕詞に原作原作ついてしまって申し訳ないです。
ドラマ版はホラーでなくあくまでヒューマンドラマとして観るといいのかもしれません。


これを機に原作もぜひやってみてください! めちゃくちゃ濃厚にルイシンちゃんの物語が体験できます!みんなもつらくなろう!!

ゲームの公式トレイラー貼っときます。
曲が……いい……。つらい…(情緒不安定)。

youtu.be

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ポスターデザインその2。分かる人には分かるデザイン。

じゃあな!